グローバル・バリュー・チェーン下の競争力はどこから生まれるか ~カギをにぎるサービス部門
2014.10.01付加価値ベース貿易統計では、「サービス」の取引ウェイトが高い
グローバル・バリュー・チェーン深化の特徴の一つは、生産拠点のグローバル分散だ(2013年12月「グローバル・チェーンにおける日本企業の立ち位置を探る」 参照)。しかし、バリュー・チェーンは、財だけでなくサービスの国際的な移転も担う。これをOECD-WTO「付加価値ベース貿易統計」にしたがって確認してみよう(注1)。
山本謙三による金融・経済コラムです。
グローバル・バリュー・チェーン深化の特徴の一つは、生産拠点のグローバル分散だ(2013年12月「グローバル・チェーンにおける日本企業の立ち位置を探る」 参照)。しかし、バリュー・チェーンは、財だけでなくサービスの国際的な移転も担う。これをOECD-WTO「付加価値ベース貿易統計」にしたがって確認してみよう(注1)。
本年6月の安倍政権の成長戦略・改訂版には、前年に掲げられた開・廃業率目標と実績が示されている(参考1)。実は、民主党政権下の「日本再生戦略」(2012年7月)にも、ほぼ同じ内容の目標が盛り込まれていた。
この目標の趣旨は新陳代謝の促進とされる。その趣旨に異論はない。開・廃業率の引き上げも望ましい。しかし、メインメッセージである「開業率が廃業率を上回る状態にする」ことは難しいし、積極的な意味を見出しがたい。なぜか。
労働市場への参加の状況を、労働力率(労働力人口比率)でみてみよう。労働力人口とは、働いている者(就業者)と、無業者のうち、仕事があればすぐ就くことができ、かつ求職活動をしている者(完全失業者)の合計である。15歳以上の全人口に占める労働力人口の割合が労働力率だ。
近年の最大の特徴は、わが国全体の労働力率が急速に低下していることだ。労働力率は、1990年代前半にピークをつけたあと低下が続き、現在は過去最低圏内で推移している(参考1)。しかし、15~64歳に限れば、労働力率(同年齢層の人口に占める割合)は一貫した上昇傾向にある。つまり、15歳以上の全人口でみた場合と15~64歳の生産年齢層に限った場合とでは、まったくの逆方向にある。
銀行・協同組織金融機関の貸出、有価証券運用をめぐっては、「リスクのとり方が足りない」、「もっとリスクをとって果敢に貸し出すべき」といった論調が少なくない。たしかに自己資本との対比でみる限り、金融機関には全体としてリスクテイク余力が残っているようにみえる。
一方、金融機関自身からは、「将来を見通しにくいリスクが膨らんでいる」とか、「リスク・リターンのバランスが悪く、安易にリスクテイクを拡大できない」との声が聞かれる。以下、こうした認識のずれの背景を考えてみたい。
名刺に、メイルアドレスが記載されたものとそうでないものとがある。気になって、業種別に分類してみた。
個人的に頂戴した名刺なので偏りはあろうが、傾向は一目瞭然だ。
量的緩和に関連してしばしば指摘されるのが、信用乗数の低下だ(注1)。日本銀行による巨額の資金(マネタリーベース)の供給にもかかわらず、預金(マネーストック)の増加はわずかにとどまったという話である。それは、事実だ。
銀行の基礎的な収益が悪化を続けている。「目利き能力の低下など、銀行の努力不足が原因」との見方があるが、理解不足というものだろう。事実関係とともに、あらためて整理しておきたい。
の基礎的な収益は、一般にコア業務純益で測られる(注)。日本銀行「金融システムレポート」に示されたグラフをみると、2000年以降のコア業務純益(対総資産比率)の悪化は貸出利鞘の縮小と預貸差の拡大(預金超過の拡大)でほとんど説明されることが分かる(参考1)。貸出利鞘の縮小と預金超過の拡大が同時に生じたということは、資金需要がこれまでいかに乏しかったかを物語る。
もしヒトが普通の動物ならば、長生きすれば、その分長く働くだろう。自分で餌を探さなければならないからだ。もし今日神様から、「あなたは予定より10 年長く生きることになる」と宣告されれば、同時に「10年長く働いてもらう」と言われても納得するだろう。勤労は長生きの対価だ。では、実際はどうか。
高齢化の進展に伴い、一部地方大都市への人口流入が加速している。人口移動報告に基づき21大都市(東京都特別区部<23区>および政令指定都市)の転出入状況をみてみよう。
首都圏6都市、大阪市、名古屋市への人口移動は、2010年代に入り流入ペースが幾分鈍化した。対照的に、地方大都市の転入超過数は過去最高を記録した(参考1)。
OECD(経済開発協力機構)とWTO(世界貿易機関)が共同で、付加価値ベース貿易統計の公表を始めている。従来の貿易統計とちがい、貿易財やサービスに含まれる付加価値を、どの国がもともと創出したかに遡って記録するものだ。