銀行の基礎収益はなぜ悪化を続けるのか ~量的緩和、ゼロ金利制約と利鞘
2014.04.01貸出利鞘の縮小と預金超過の拡大
銀行の基礎的な収益が悪化を続けている。「目利き能力の低下など、銀行の努力不足が原因」との見方があるが、理解不足というものだろう。事実関係とともに、あらためて整理しておきたい。
の基礎的な収益は、一般にコア業務純益で測られる(注)。日本銀行「金融システムレポート」に示されたグラフをみると、2000年以降のコア業務純益(対総資産比率)の悪化は貸出利鞘の縮小と預貸差の拡大(預金超過の拡大)でほとんど説明されることが分かる(参考1)。貸出利鞘の縮小と預金超過の拡大が同時に生じたということは、資金需要がこれまでいかに乏しかったかを物語る。