自治体の「無記名」調査 低い個人情報への感度 ~わずかな質問で回答者の特定が可能に?
2020.01.06居住する地方自治体から、「高齢者等実態調査」という名のアンケート調査が送られてきた。健康状態や高齢者施策に関する調査だ。細かいものを含め、質問数は130近くにのぼる。高齢者がすべて読み込めるか心配になるが、ひとまず横におこう。
対象者は「65歳以上の市民の方1,500名を無作為に選」んだという。65歳以上人口の3.7%に当たる。
回答は「無記名」とされ、「個人のプライバシーの侵害などのご迷惑をお掛けすることはありません」と記されている。
本稿は、自治体のプライバシー尊重の姿勢を疑うものではない。しかし、質問票の内容は、その気になれば、回答者を容易に特定できるようにみえる。無記名を強調するわりに、個人情報への感度は低い。