金融経済イニシアティブ

2018.11.15

よく疑問がひらめく。

今年の夏も、蝉はなぜあおむけで死ぬのかが、気になって仕方がなかった。普段は腹を見せないはずの蝉が、なぜわざわざあおむけなのか。

 

誰しもが一度は思ったことだろう。

妻に理由を尋ねてみた。

彼女の答えは「知るかっ (-_- # 」だった。

 

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紀元前と紀元後の間も気になる。紀元前1年12月31日の翌日は、西暦1年1月1日なのか、それとも西暦0年1月1日なのか。

 

よくよく考えてみると、なかなか深淵な疑問ではないか。紀元前、紀元後の概念が成立した頃に、すでに「ゼロ」が発見されていたかどうかの問題だ(おそらく)。

 

とりあえず妻に尋ねてみた。

彼女の答えは「知って、どうする?」だった。

 

しかし、、、ですょ。タイムマシーンに乗って、着いてみたら1年違ったとすれば大ごとではないか、、と私は思うわけです。

 

魔の三角地帯

 

小さい頃の謎といえば、「魔の三角地帯」だった。

 

バミューダ諸島、プエルトリコ、フロリダ半島を結ぶ三角状の海域(バミューダ・トライアングル)で、多くの飛行機や船が痕跡を残すことなく消息を絶った。なかには、消息を絶った船の捜索に当たった飛行機も、謎の失踪を遂げたという話があった。

 

少年雑誌には、姿を消した飛行機や船の画がおどろおどろしく描かれていた。大人になって、もしこの地域に出かけなければならないようなことがあれば困るな、と、小さな胸を痛めたものである。

 

だが、歳月とともに「魔の三角地帯」は話題にのぼらなくなった。あとから気づけば、私もすでに2、3 回上空を飛んでいる。しかし、私の身になんの不都合も起こっていない。

 

一体、「魔の三角地帯」とは何だったのか。

 

 

これらの謎は、いまやインターネットで簡単に答えが見つかる。検索すれば、ものの1分もかからない。納得はするものの、おかげで、あの頃の、仮説を立てたり、怖れたりするワクワク感はなくなった。

 

インターネットは、人々の想像力や感情を衰えさせる~~これが、私の長い思索の末の結論である。

 

この深い洞察を妻に語ってみた。

彼女の反応は、ただ一言。「で?」

 

結局、最大の謎は妻である。こればかりはインターネットでも分からない。

 

(イラスト:鵜殿かりほ)