金融経済イニシアティブ

性格

2019.03.16

私は、時間やお金を効率的に使うのが好きだ。

家族はこれを、せっかちとか、ケチとか呼ぶ。

しかし、子どもたちには遺伝しているはずなので、文句は妻だけにしてほしい。

 

駅弁

出張でも旅行でも、駅弁を買って、列車のなかで食べるのが楽しみだ。

しかし、辛抱が足りない。

たいてい出発前の東京駅で食べ終え、品川あたりで「あ~、つまんね」とつぶやいている。

 

球場

プロ野球の試合をみに、よく近くの球場に出かける。球場が近づくと、なぜか速足になる。

試合開始までどんなに時間があっても、必ず駆け足になる。

 

よりにもよって、そんな折、連れの妻が球場前でタコ焼き屋を見つけ、行列に並んだりするのである。

 

 

セルフレジ

昔、社会人になったばかりの長男が、自宅の新聞を手に出勤することがあった。おかげで、こちらは駅の売店で、あらためて購入だ。

 

売店はセルフレジだ。スクリーン上の「新聞」⇒「**新聞」⇒「会計」の順にボタンを押し、電子マネーをピッと鳴らせば完了である。

だが、ある日操作を誤り、朝刊1部に2度も代金を払ってしまった。

店は、朝の繁忙時。百数十円のために店員を呼ぶのは、私のプライドが許さない。

そのまま店を出た。

 

しかし、どうにも気になる。

仕方がないので、その日は出勤途上で読んで、帰宅の車内でもう一度目を通した。

 

 

願掛け

信仰心はつゆほどもないが、子どもたちが受験の折には、近くの神社に願掛けにでかけた。

 

賽銭を出す段に及んで、とつぜん思った。これは、ほんとうに効果を期待してよいものか?

 

そこで、こうお願いしてみた。「とりあえず今日のところは手付けとして半額、残りは出来高払いってことで、どうでしょう?」

 

「そのような信心の薄いことでは、決して願いはかなえられまいぞ」との天の声が聞こえてくる。

他方、「そうは言っても、あちらさんも商売だから」という心の声も聞こえてくる。

 

結局なんとか合格してくれ、私は残る半額をもって神社に出かけた。

幸い罰は当たらなかったが、帰り際、天の声に呼び止められた。

「おい、金利分を忘れてるぞ」

 

(昔、プラスの金利があった時代の話である。)

 

(イラスト:鵜殿かりほ)