南米の時間はゆる~く流れる(全2回) ~その2(完)・2005年アルゼンチン
2020.08.16
2005年春、ニューヨークからアルゼンチンに出張した。
同国中央銀行が周年事業にあわせて開催する金融コンファレンスに、パネリストとして呼ばれていた。
いつ? どこで?
コンファレンスの前日午後、ブエノスアイレスの空港に到着した。
空港では、担当の職員が出迎えてくれた。
ホテルへ向かう車中、先方が「今晩、ゲストスピーカーとパネリストを、お礼に夕食会に招くことになっている。出席してもらえないか」と尋ねてくる。
もちろん、断る理由はない。
「えぇ、よろこんで」と伝える。
彼「ありがとうございます」
私「で、何時に待てばいいですか?」
彼「はぃ、夜の8時から9時の間に」
私「へ?」
私(気を取り直して)「では、どこで待てばいいですか」
彼「あなたのお好きなところで」
私「へ?。。。」
開始の時刻
コンファレンスの会場は、ホテルから車で15分ほどの場所にあった。
参加者を専用のバスで送り迎えしてくれる。
会議は2日間の予定だった。
1日目、夜。
無事パネリストの役目を終えバスでホテルに戻ると、降り際に担当の職員からアナウンスがあった。
「明朝は9時にお迎えにあがります」
「へ?」
手元のプログラムには、朝9時の会議開始と書いてあるぞ。
隣に座っていた某国中央銀行の副総裁と顔を見合わせる。
翌朝、万一に備え、早めにロビーに降りる。
案の定、副総裁も来ていた。
すると、8時40分にバスが到着した。
さっそく乗り込む。
と、即刻バスは出発してしまった。
へ!?
では、9時に集まった連中はどうなる??。。。
南米の時間はゆる~く流れる。
気が付けば、結構気に入っていたりする自分がいる。
(イラスト:鵜殿かりほ)