金融経済イニシアティブ

ささの葉さらさら

2023.07.03

3年前まで、小学校の隣に住んでいた。

 

七夕の季節になると、毎年子どもたちの願いごとがフェンスに張り出され、歩行者が足を止めていた。以前は3年生だけだったが、生徒数が減ったせいか、最近は1、2年生の願いごとも張り出されている。

 

中には、身につまされるものもある。

 

【器用になれますように(小3)】

 

誰かから「あんた、不器用ね」って、言われたのだろうか。

器用でないのは、欠点じゃないんだけどね。

 

短冊あれこれ

 

【サッカーがうまくなりますように】

【お花屋さんになりたい】

 

これらが定番である。やはり小学生だ。

 

【ココが長生きしますように(小2)】

 

家で大事にしてる犬のことだね。そうなるといいね。

 

【長生きできますように(小3)】

 

ん? こっちは自分のことか? う~~ん。

 

【高校をなにごともなく、卒業する(小3)】

 

こらこら。

 

【消費税が上がりませんように(小3)】

 

おいおい。

 

【早く金ぱつにそめて、かいがいでくらしてみたいです(小2)】

 

こちらは、案外深刻だ。

金髪に染めてはいけないルールが、小学校にあるのだろうか?先生たちは、この願いを見て、どう思うのだろうか?

 

90歳の私へ

 

願いごとは子どもたちだけに限るものではないだろう。

自分も書いてみることにしよう。

「年寄りにも、短冊を!」である。

 

しかし、何も思い浮かばない。

 

私「『アメリカ横断ウルトラクイズで、チャンピオンになる』も、番組がなくなったせいで、使えんしな。」

妻「どちらかというと、『ご長寿早押しクイズ』の方が似合ってると思うけどね」

私「むむ」

 

仕方がない。願いごとはやめて、自分あてにメッセージを書くことにしよう。

 

私「『20年後の自分へ』で、どうよ」

妻「はぁ~~、おヒマね」

 

どぅも、感性が合わんな。

ま、いいや、ここは一番、人生、仕事、家族について目標を書くことにしよう。

 

【20年後の自分へ】

 

人生

【あなたは、このメッセージを書いたことを覚えてますか?】

 

ふむふむ。これだな。

90歳の自分あてだから、これが一番ビシッと来るな。

 

仕事

【仕事を倍増!】

 

ビックリマークはいいが、これは、相当に難題だ。

そもそも、倍増の手段もないし。。。

 

ここは一番、毎月のHP「コラム」と「KYな話」を月2本にすることで手を打つか。

 

まだ20年あるし。。。なんとかなるだろう、(って、本当か??)。

 

家族

【妻を大切にする】

あ、こりゃ、ムリ。

 

【妻から大切にされる】

こっちは、もっとムリ。

 

【妻の健康維持に努める】

お、これ、いいかも。

私の性格が素直に表れているようで、いいではないか。

 

 

早速、妻を呼ぶ。

 

私「んなわけで、これが20年後の自分あてのメッセージだ。」

【あなたはこのメッセージを書いたことを覚えてますか?】

【仕事を倍増!】

【妻の健康維持に努める】

 

妻「ふむ、なんか、3番目が気に食わないね」

私「へ?、なぜ?、いたわりの気持ちを文字にしてみただけだが」

妻「っていうか、老後のあなたの面倒を私にみさせよう、って魂胆でしょ」

私「うっ」(ばれてたか。)

 

 

 

 

(イラスト:鵜殿かりほ)