金融経済イニシアティブ

なぜに豪州で時差ボケに? ~iPhoneを使いこなせない私

2023.10.02

いつのころからか、手帳代わりにスマホの「カレンダー」を使うようになった。

手元にスマホがなければ、いまや明日の予定も分からない。

 

妻は、手帳片手に「スマホは充電が切れたらおしまいよ」とうそぶく。私には「手帳は失くしたらおしまいよ」と思えるのだが、どうか。

 

iPhoneが勝手に時差を調整する

 

海外に出掛けると、スマホ(iPhone)が勝手に時差を調整してくれる。

「時計」のアプリだけでなく、「カレンダー」のアプリもだ。

そのことを、5年前、モスクワに出掛けたときに知った。

 

その日モスクワで、「カレンダー」のアプリを開いた。

 

1か月後の予定を確かめていると、先約に「会議:4時~5時」とある。

もちろん日本での会議だ。

 

う~ん、これは入力間違いだな。会議は、たしか朝10時スタートのはずだ。

「会議:10時~11時」に、訂正する。

 

さらにめくると、また同じ間違いが。。。

うへっ、寝ぼけて入力したか。。。

ここも「会議:10時~11時」に直す。

さらに、いくつか同じ操作を繰り返す。

 

ん? 待てよ。。。

それにしてもヘンだ。

スマホが壊れたか??

 

・・・。

 

あ、いけね。時差か。

スマホがモスクワ時間に勝手に書き換えているのか。。。

 

う~~ん。

もともと正しかった時刻を、わざわざ間違った時刻に上書きしてしまった。

このまま日本に帰ると、10時~11時の会議がすべて16時~17時と表示される。

げっ。。。

 

仕方がない。前のページに戻って、再修正を始める。

え~と、日本とモスクワは時差6時間なので、差し引いて「会議:4時~5時」か。

 

同じ操作を何回か繰り返したのち、ふと思う。

ところで、さっき、いくつ上書きしたんだっけ??

 

シドニーで「カレンダー」に書き込む

 

今年8月、シドニーを訪れた。

この季節は、関係する先から来年の予定を聞かれることが多い。

スマホが勝手に時差調整することを知っている私にとって、怖いものはない。

 

(東京からのメール)「2024年1月*日オンライン会議14時~15時、参加は可能でしょうか?(以下、続く)」

 

ふむふむ。シドニーと日本の時差は、1時間だから、「カレンダー」に「15時~16時」と書き込めばいいのだな。

早速「カレンダー」を開く。

 

その日はすでに(日本での)先約が書き込まれていたが、「オンライン会議:16時30分~17時30分」(筆者注:シドニー時間)とある。

よしよし、会議と会議の間は30分しかないが、どちらもオンラインなので大丈夫だ。

この日は「〇」、と。

 

以下、一つひとつ「カレンダー」に書き込んで、出欠を回答した。

 

自称国際ビジネスマンだから、この程度は、お手のものと言っておこう。

 

アデレードで「カレンダー」に書き込む

 

次の滞在場所は、シドニーから飛行機で1時間半ほどのアデレードだった。

シドニーと30分の時差がある。

 

時差30分?

昔、インドのムンバイでも経験したが、30分単位の時差は、ほんと、やめてほしい。

細かすぎて、混乱する。

 

その夜、再び東京からメールが。

「先の予定に、2024年8月**日オンライン会議14時~15時を加えてほしい」

 

はいはい。

「カレンダー」を開き、8月**日に予定を加える。

シドニー時間換算「15時~16時」に30分を加えて、「15時30分~16時30分」と書き込む。

 

よしよし、もう手慣れたもんだ。えへん。

・・・

ん?、なんかヘン。

??

 

あ、いけね。アデレードはシドニーより西の都市だ。

東京に近づいたのだから、シドニー時間+αでなく、シドニー時間-αでなければならない。

 

日本時間「14時~15時」は、アデレード時間「14時30分~15時30分」、シドニー時間「15時~16時」が正解だ。

 

あ~、ややこし。

でも、早めに気づいて、よかった。

気づかずに東京へ回答していれば、いずれ赤恥をかくところだった。

ふ~。

 

シドニーで「カレンダー」を見直す

 

再び、シドニーへ戻る。

 

日中、知人との間で夏時間、冬時間が話題になる。

 

そういえば、こちらには、夏時間があった。

調べると、夏、冬の時間は、10月と4月の各第1日曜日に切り替えるという。夏時間は、1時間の繰り上げだ。

 

そうなると、当地(豪州)で入力した予定の一つ一つを修正する必要がでてくるではないか。

げっ!

 

またまた「カレンダー」のアプリを開く。

 

アデレードで24年8月**日「14時30分~15時30分」と書き込んだ予定は、すでに「15時~16時」(注:シドニー時間)に書き換えられていた。

これを「16時~17時」に再修正する。

やれやれ。

・・・

 

ん? なんか、違和感が。。。

??

いま、私は来年8月の「カレンダ―」に、日本と2時間の時差を書き込んだ。

しかし、今年8月にシドニーにいる私は、日本との時差1時間を過ごしている。

どぅいうこと?

 

あ、いかん。

オーストラリアは南半球だ。

夏は冬で、冬が夏だ。

 

8月は冬時間で、1月が夏時間。

8月の予定を書き換えてはいかんのだった。

あ~~ん、また余計なことをしてしまった。

 

仕方がない。再度修正。

「16時~17時」に書き換えた予定を、再び「15~16時」に書き換える。

とほほ。

 

ようやく再修正を終えた。

しかし、今度は、来年1月1日から4月第1日曜までと、10月第1日曜から12月末日までの予定に、夏時間1時間を加えなければならない。

ほんとに、とほほ。

 

「カレンダー」を開くと、最初に現れたのが、冒頭の「24年1月*日のオンライン会議」だった。

先日は「15時~16時」と書き込んだが、正しくは「16時~17時」だった。

 

さっそく修正にとりかかる。

が、、、。

先約に「オンライン会議:16時30分~18時30分」があるではないか。

 

あちゃ~、ダブった。

しかも、先日「〇」で回答したばかりだ。

 

それにしても、こうしてみると、スマホが賢くて、こちらがアホに思えてくるな。

実際、そうだし。

言い訳しようにも、下手な言い訳は通用しそにない。

さて、なんと言うか。

 

 

こうして、わずか時差1時間の豪州にもかかわらず、夜更けまでスマホと格闘し、時差ボケに陥るのだった。

いや、ほんまに。

 

 

(イラスト:鵜殿かりほ)