クロスワード・パズルに苦労す
2024.06.03ある日の会話。
私 (テレビ番組を視聴後)「結局は、「子はカスガイ」って話だったな」
妻「カスガイって何よ」
私「だから、なんだ、夫婦の絆をつなぐみたいなものだな」
妻「そんなこと知ってるわよ、もともとの意味は何かって」
私「ん~、カンヌキみたいなもんじゃないか」
妻「頼りないねぇ、じゃぁ、どんな漢字?」
私「ん?ん~「春日井のピーナッツ」とか、、、」
妻「ウソだね」
私「ふむ、ウソ」
妻「じゃ、カンヌキの漢字は?」
私「え~と、よくクイズ番組に出る」
妻「で?」
私「ん~、・・・分からん。そういえば、麻布の方に、竹かんむりに井戸の井のような漢字を書く地名があったな。「笄」――あれがカスガイかもしれん」
妻「ほんとに?」
私「ん?、いや、たぶんちがう。あれはたしか、コウガイとか呼んでたな」
妻「コウガイ! ふ~ん。で、こうがいって何?」
私「ん?笄とは何か?近くに小学校があるみたいだから、「ここは校外」とか、ハハ」
妻「ふん、つまらん」
こうして墓穴を掘りながら、社会に何ら役に立たない会話をだらだらと繰り返すのであった。
余計なお世話
日本経済新聞の日曜版に、「Challenge! Crossword」のコーナーがある。
超難問のクロスワードパズルで、日経新聞も難しさを売りにしている様子である。
7*7のマス目に、タテ、ヨコそれぞれ9問程度のカギが出題されている。
約18のカギに対し、私が答えられるのは精々4~5問。ひどいときは1~2問の日もある。
これでは答えがクロスしないので、クロスワードにもならない。
おかげで、スマホでの調べ方だけはうまくなった。
効率的な検索方法を会得するための修行である。
しかし、検索をかける都度、驚かされる。
検索結果の上位に必ず「日経新聞クロスワードの答え」というHP(ホームページ)が表示されるのだ。
どのカギの答えを検索しても、やはりこのHPが現れる。
どうも、熱心な読者が早朝からパズルを解いて、ご丁寧にも答を教えてあげるよ!との算段らしい。
ありがたいといえばありがたいが、、、余計なお世話といえば、余計なお世話である。
検索結果に打ちのめされる
ときに検索結果に打ちのめされる。
[カギ] 下剋上の代名詞。三好長慶の家臣。〇〇〇〇久秀。
さっそく、「下剋上」を検索してみる。
2021年の出題当時、検索上位は、、、、、「ロッテ」が圧倒的だった。
ん? しかし、ロッテ久秀では、1文字足りないぞ・・・
当時、下剋上の代名詞といえば、2010年にパ・リーグ3位からCS(クライマックスシリーズ)を突破し、ついには日本一に輝いた千葉ロッテのようだった。
その年のパリーグ1位は、わがソフトバンクホークスである。
ヤなこと思い出させるね。
かぶりもの
[カギ] 出陣の際、兜の下に着用するかぶりもの。
この手のカギは、考えても答えは出ないので、すぐに検索に入る。
「かぶりもの、出陣」、と。
出るわ、出るわ。いろいろなイベント紹介が出てくる。
『商工会。正月の運動出陣式。馬のかぶりもの』
ご丁寧にも、馬の頭部のかぶりものをかぶって、出陣の雄たけびをあげている商工会の幹部の写真が掲載されている。
なんや、これ。
思い込み
思い込みとはおそろしいもので、いったん思い込むと、ワナからなかなか抜け出せない。
[カギ]ことわざ「〇〇〇〇に水」。
すぐさま「立て板に水」とひらめく。4文字の解答は、それなりに貢献度が高い。
だが、他のカギを解き進むうちに、周囲の答とどうも合わない。
「立て板に水」が間違っているはずがない。
???
やむをえず、周囲の解答を考え直す。
結局、本当の答えは、、、「焼け石に水」だった。
なんだ、そうか。
[カギ]山や厳などの険しくそびえ立つさま。青山○○とそびえる。
この時もそうだった。青山〇〇といえば、、、、やはり青山墓地でしょう。
これはさすがに答えでないことは分かった。
しかし、「青山墓地とそびえる」が頭から離れない。
独り言でつぶやく。
「あおやま墓地とそびえる」、「あおやま墓地とそびえる」、「あおやま墓地とそびえる」・・・なんか、これが正解でもよくないか。
意表をつかれる
[カギ] 雌牛のこと。
雌牛のこと? 2文字だが、どうも「べこ」ではなさそうだ。すぐには答が出てこんな。
検索してみよう。念のため、英語もカバ―しておこう。
「ブル 反対語」、と。
出てきた検索上位は、、、、「ベア」だった!
ん?ベア?? ブル対ベア(注)。。。ははは、さすがに日経新聞。
いや、ちがうやろ。
そんなわけで、日曜の朝から、社会への貢献のかけらもない時間の潰し方をしている私である。
(筆者注)株式市場では、強気筋をブル(雄牛)、弱気筋をベア(熊)という。相場の上げ下げを動物になぞらえ、雄牛が角を下から上へ突き上げる様子を強気の象徴に、逆に熊が前足を上から下に向けて立ちふさがる様子を弱気の象徴に、見立てているようだ。
(イラスト 鵜殿かりほ)